浄書基礎講座/Basic seminar on engraving

近年では、コンピュータを利用した楽譜作成が普及し、作編曲家はもちろん、演奏家も楽譜を手軽に作ることが出来る時代となっています。楽譜作成ソフトのデフォルトテンプレートを利用すれば、”読むことが出来る楽譜”を作ることが出来ます。しかし、それがコンピュータを用いたといえど”美しく使いやすい楽譜”にはなりません。例えば、文書作成ソフト(Word、Pages、一太郎等…)に文字を入力するだけならば誰でも出来ます。フォントを調整したり、サイズを変更したりして美しく見やすい文書にするには経験やセンスが問われます。
弊社では、浄書の魅力を伝え、浄書に興味関心を持っていただき、浄書を職業をする人が増えるような取り組みを行えば良いと考え、浄書講座を不定期開催致しております。浄書に興味関心のある方、楽譜を作られる方は是非ご参加下さい。

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本講座で学べること

「読みやすい楽譜」や「実用的な楽譜」の根底にある考え方

そもそも浄書とは何なのでしょうか?ただ闇雲に取り組んでも、浄書の目的を果たした楽譜を作ることは出来ません。まず最初に、浄書について、様々な角度から考察します。日頃当たり前のように目にする楽譜の見方が変わることでしょう。

楽譜の書き方や初歩的な浄書の技術の習得

楽譜の書き方にはルール(記譜法)があります。浄書された楽譜について考える前に、記譜法の復習と、特に浄書と関わりの深い音楽理論の復習を行います。浄書の解説では、さまざまなテクニックをご紹介致します。楽譜作成ソフトの設定をひとつ変えるだけで、格段に見やすさが変わることも…すぐに使えるテクニックをご紹介致します。

浄書家が行っている技法のご紹介

本講座講師の山田悠人は、YMDミュージックから出版される楽譜の浄書を担当しています。浄書家が日頃行っている楽譜浄書の技法をご紹介致します。当たり前に手に取る楽譜作成の裏側を知ることができます。

楽譜作成ソフト(Finale)の基礎的な使い方

本講座は、コンピューター浄書の解説を行います。講師は、楽譜作成ソフトFinaleを使って浄書を行っています。Finaleの操作方法や効率的なテクニックをご紹介致します。尚、本講座の解説は、他の楽譜作成ソフト(Sibelius、Musescore等)をご利用の方にも対応した汎用的な解説を行います。

本講座で学べる知識の活用例や効果

試演(音出し)の進行の効率化

楽譜は、作成者から利用者の手に渡ります。一生懸命作曲や編曲をして優れた作品を作ったとしても、楽譜が読みにくかったり、使いにくかったりすると、演奏者が楽譜の理解や誤読で時間を失い、効率的で満足行く内容の試演ができません。浄書された楽譜を渡すことで、円滑な試演が可能になります。

楽譜浄書の仕事での活用

本講座で得た知識は、日頃の音楽活動だけでなく、楽譜出版といった仕事で活かすことができます。この講座の受講から、浄書に関する興味関心を持ち、将来浄書が関わるお仕事を目指すきっかけになれば幸いです。本講座には、現場で活躍する浄書家さんにもご参加いただいており、スキルの確認や新しい発見をされる方もいらっしゃいます。

実施概要

日時

随時開催(9時〜22時)

会場

東京都板橋区(受講者のみ連絡)

受講料

9,000円(消費税込)
※2人同時申し込みで1人あたり1,000円引

受講料のお支払い方法は「クレジットカード決済」または「銀行振込(お振込手数料はお申込者様負担)」です。

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講師

山田悠人(作編曲家、浄書家、YMDミュージック合同会社代表)
1989年福岡県北九州市出身。山口大学教育学部、尚美ミュージックカレッジ専門学校アレンジ・作曲学科卒業。作曲を池上敏、蒲池愛の各氏に師事。幼少時より音楽に触れ、高校吹奏楽部ではクラリネットを、大学吹奏楽部ではフルートを担当。大学在学中より作曲、編曲を始める。
2016年8月、YMDミュージック合同会社を設立し、CEOに就任。2020年6月、テレビ朝日系『題名のない音楽会』に編曲作品を提供。その他、音楽家や音楽団体からの作曲・編曲委嘱多数。『ムジカノーヴァ(音楽之友社)』2022年6月号から同年10月号まで「浄書家が秘訣をご紹介します! 演奏しやすい楽譜を作るテクニック」の執筆を担当。
現在は吹奏楽や室内楽の作編曲家、楽譜浄書家、レコーディング・エンジニアとしても活動している。YMDミュージック合同会社が主催する浄書基礎講座、音楽著作権実用講座の講師を務める。音楽大学で浄書講座の特別講師を務める。
今を生きる作編曲家の視点を活かした演奏会を企画する等、精力的に活動している。

内容

楽譜浄書とは?
見やすい楽譜とは?
記譜のルールについて
パート譜の作成、レイアウト調整について
その他、受講者に合わせて内容やジャンルを柔軟に対応します。

講座:3時間、質問タイム1時間

浄書された楽譜(L.v.ベートーヴェン/Sonate für Klavier Nr.8 “Pathetique” c-moll Op.13)

[PDF]

必要なもの(準備可能な場合)

・楽譜作成ソフトがインストールされたパソコン
・ご自身が浄書された楽譜

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受講者の声

小國 晃一郎 様(浄書家)

2019年12月と2021年12月の2回、大阪での浄書基礎講座を受講させて頂きました。
私自身、楽譜制作・浄書の仕事をしているのですが、日本では浄書を専門的に学習できる学校なども少なく、独学で何とか対応している所が多々ありました。
講座内容は、楽譜を構成する要素の説明(五線や音符などの名称など)と言った基本的な事から、「読みやすい楽譜(浄書)とは?」また楽譜のレイアウト(譜めくりの確保等)など実践的な事、また、知っていると役に立つ(奏者に喜ばれる)テクニックなど、多岐に渡る物で、様々なレベルの受講生に対応していました。 受講生からの質問などもかなり出ており、一つひとつ丁寧に説明されているのも印象的でした。
また、関東方面では浄書やFinaleのオフ会などと言った集いもある様ですが、そういった物も関西圏にはほとんどないため、浄書家や仕事仲間の横の繋がりが出来た事も、大変大きな収穫でした。

得本 和音 様(作曲家)

「記譜法」ではなく「楽譜作成ソフトの使用方法」でもない、「浄書」についてのセミナーです。演奏現場の経験や奏者のフィードバックを生かし、「奏者が見やすい楽譜とは何か」を追求した知見をセミナーで得ることができます。浄書の目的を「楽譜をきれいに見やすくする」ではなく「練習効果を最大化する」「作品の完成度を上げる」に置いているからこその視点で、浄書について学ぶことができました。
セミナーの内容としては、前述のための知識や浄書のポイントを具体的に伝えてくれるので内容が非常に実践的な印象です。実際の操作や数値の設定、ノーテーションソフトの設定方法など本当に出し惜しみがなく、そんな情報までセミナーで伝えていいのかとこちらが心配になるほどです。講師と受講者、そして受講者同士の距離感も近く、自分が困っていることの質問もしやすいため、悩みが解消されていくことも受講のメリットでしょうか。私は大阪で二度受講しましたが、二回とも非常に満足度の高いセミナーでした。

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