【新譜発売】幻想的小品集 Op.3-2「前奏曲(鐘)」[サクソフォーン4重奏](ラフマニノフ/田中啓貴)

・幻想的小品集 Op.3-2「前奏曲(鐘)」
編成:サクソフォーン4重奏
作編曲者:S.ラフマニノフ(田中啓貴)
印刷楽譜 演奏音源

セルゲイ・ラフマニノフ Sergei Rachmaninov(1873-1943)は、ロシア帝国出身の作曲家、指揮者、ピアニスト。裕福な家庭で生まれ育ち、幼少期から音楽の教育を受けていたこともありその才能は早くから開花していた。一家が破産し両親が離婚した後もその才能から奨学金を受け、音楽院に通っていた。
18歳の時にモスクワ音楽院ピアノ科を、大金メダルを得て卒業する。作曲家として有名なスクリャービンとはピアノ科の同級生であり、二人の実力があまりに優秀なため金メダルまでの評価ではおさまらず、首席であるラフマニノフに大金メダル、次席であったスクリャービンに小金メダルという特別な評価をされたこともあった。その後、同音楽院作曲科を卒業し、その年に《幻想的小品集》作品3-2「前奏曲(鐘)」をモスクワ電気博覧会の祝賀会で演奏し、熱狂的な人気を獲得。ラフマニノフの代表作となった。また、ラフマニノフの従兄であり、ピアニスト、作編曲、指揮者であったアレクサンドル・ジロティAlexander Siloti(1863-1945)が西ヨーロッパ、アメリカの演奏会でこの楽曲を取り上げたことにより、モスクワ以外でもこの楽曲が注目された。その後ロンドンからは複数の出版社より、《モスクワの大火》《最後の審判》と題されたものが出版され、アメリカでは《モスクワの鐘》と題され出回った。《鐘》はその後名付けられた愛称であるが、ラフマニノフの特徴である重厚な和音は、幼いころから聴く聖堂の鐘を模したといわれており、まさに《鐘》を表現した響きであるといえる。
(解説・菊地 麻利絵)

本作品は、ラフマニノフの特徴である、重厚な響きを大切にして編曲している。その重厚な響きを表現するため、サクソフォンの管全体が響くように、あえてキィを塞いだ音を多用し、ピアノの左手パートを構成した。ソプラノ~バリトンサクソフォンまでの4本の響きは均一であることが望ましく、発音は決してぼやけてはならない。ダブルタンギング(トリプルタンギング)やフラジオを多用した高難度の編曲となっているが、難易度を下げたオプションを用意しているので、是非、本作品に挑戦してもらいたい。
(構成解説・田中 啓貴)

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